- 緊急事態宣言解除で出社数、人出はどう変わったか
- 変化したお客様の生活行動・ライフスタイルと飲食店のピーク
- 飲食店の客席をソーシャルディスタンスに対応した場合の客席数減
- 商圏人口の減少と客席数減少への対応
全国的に緊急事態宣言が解除され、東京都をはじめ出社数や外出する人出が増えています。しかし、人出の回復は同時に新型コロナウイルス(以下、新型コロナと略)の第2波警戒という状況も招く要因。感染防止策の継続は必須な状況です。
前回、飲食店の詰込み型店舗の考え方を「ソーシャルディスタンス」と、「お客様の生活行動・ライフスタイルの変化に対応したオペレーションに転換」することを推奨しました。
今回は、商圏人口の増減状況、お客様の行動変化、ソーシャルディスタンスに対応することで起こる客席数減を具体的に考察します。
新型コロナ・緊急事態宣言解除で回復した人出
新型コロナによる緊急事態宣言中・2020年4月21日の東京都・都市部の人出は約30%~40%まで減少しました(NTTドコモ「緊急事態宣言前後における全国主要都市の人口変動分析」をもとにしたデータ結果)。
緊急事態宣言が解除されてから12日後の2020年6月5日は、人出が約70%以上まで回復しています。
解除後の出勤・外出数は約70%~95%と回復
NHK「特設サイト 新型コロナウイルス」で公開している「東京都内 人出増減マップ」から、新型コロナによる緊急事態宣言解除後の出勤・外出数の割合を把握しました。マップでは約70%~95%と人出は回復しています。

●緊急事態宣言中の出勤・外出割合
・宣言前の約30%~40%
●緊急事態宣言解除後の出勤・外出割合
・宣言前の約70%~95%
※緊急事態宣言前を100%とした人出
※マップでは緊急事態宣言後の人出減少率が約5%~30%になっている
参考NHK「特設サイト 新型コロナウイルス 東京都内 人出増減マップ」
ライフスタイルと飲食店ピークの変化
緊急事態宣言により働く人たちのライフスタイルは激変しました。出社時間、退社時間が変わり、自宅でネットワークを経由したテレワーク対応も必須な働き方。生活行動が変わるため必然的に飲食店の来店行動も変化します。
出社数を抑制するためのシフト勤務と時短

新型コロナによる緊急事態宣言を受け、企業は出社数を全体の30%にするためにテレワークやシフト勤務で対応しました。方法は様々ですが、円グラフのように全体の60%を30%ずつ2交代で出社できるシフトを組めば対応が可能です。
緊急事態宣言による出社数抑制
●全体の40%を出社させない
・テレワークまたは休暇など
●全体の60%を30%ずつシフトで出社
・時短2交代
カフェのピークタイムも変化
カフェのピークタイム変化要因
・時差出勤
・シフト勤務
・時短勤務
ソーシャルディスタンスに客席を対応させる
緊急事態宣言の解除により人出(出社数、外出数)が回復をはじめましたが、企業の感染防止策は継続的に必要になります。そして、飲食店では集客のために安心できる店舗として客席数を減らす対応が必要です。
レイアウト変更による客席数減を考察
ここではカフェのレイアウト変更により、客席数がどう変化するかをシミュレーションしています。あくまでも想定事例ですが、ソーシャルディスタンスに対応させるため、客席間にパーテーションを設置したり、丸テーブルから角テーブルのみ使用とし、家族連れなどが離れて飲食するのを嫌うことにも対応できるレイアウトにしました。


レイアウト変更による客席数減は約50%

人出は回復していますが、商圏人口が30%減少していることは現実です。さらに、店内の客席数が50%減少している状況に対応するためには、いくつか着目すべきポイントがあります。
商圏人口30%減と客席数50%減への対応
客数減ダメージは、商圏人口(出社数・外出数)の減少30%を目安にします。
どんな店舗でも2人席を1人で使用するお客様はこれまでもいました。レイアウト変更前の満席率が50%~70%だった場合、レイアウト変更による客席数減の影響は、効率の良いレイアウトにすることで最小限に回避できます。
着目すべきポイント
1.レイアウト変更前の満席率確認と効率的なレイアウト変更
2.生活行動変化に対応したメニュー提供
3.テイクアウト時間帯別サービスメニューの店頭訴求
4.客席数減となった店舗の満席率を最大化
お客様から信頼を得られ、指示される対応
新型コロナによる生活行動の激変は、過去に経験が無い緊急事態です。市場、商圏の性質が根本的に変化してしまった状況。
集客に必須な最重要事項は、お客様から信頼を得られ、指示される、安心して利用できる環境整備と対応です。
2020年6月7日
文:Yoshinori.Takayama